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難訓練、防災映画による防火教育を各クラブごとに自主的に実施するとともに、火災予防運動期問中には、職員手作りのぬいぐるみ(ミッキーマウス、ドラえもん)と手を取り合って、防火パレードで火災予防を呼びかけています。
四 自分のところは自分で守る自衛消防活動
火災予防は人が行うものであり、事業所に、たとえ多額の経費で消防設備が設置されても、その維持管理や防災教育が重要なことであり、従業員一人ひとりに対する意識の向上に努めることが不可欠です。このようなことから、管内事業所内の自衛消防隊員を一堂に寄せた「自衛消防隊消防大会」も回を重ねること、

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平成七年度で第二二回を迎え、八五チーム、二七〇名が参加する盛況ぶりでした。
その内容は、各事業所に設置されている消防設備等が異なることから、一連の災害を想定した救急・消火訓練を取り入れ、屋外消火栓一男子四名)、屋内消火栓(男女混成三名)、消火器団体(女子二名)、消火器個人の四種目に分け操法を競うものです。
この大会の??みそ?≠ヘ、大会当日までの訓練期間に、各事業所から選抜された隊員が署訓練広場へ連日足を運び、上位入賞を目指して職員の指導を熱心に受けます。入賞は会社の防火管理体制をアピールするとあって、就業前や就業後に水銀灯の光の下で、各チームが入替り立替り訓練に励む意気込みは、自主防災意識の向上につながっていると確信できるものであり、初期の目的が達成され、主催者として極めて意義深く感じています。
大会当日は、防火保安協会の協力によるバザーコーナー、さらに参加者、消防職員が一つの輪の中に入り水バケツリレー、防災クイズ等、ゲームを通じて事業所間との交流を深め、操法の緊張感と変わって和やかな一面も見られる一日です。
五 消防…ボランティア
先の阪神・淡路大震災で被災された淡路北淡町等では、多数の消防団員が「自分の街は自分たちの手で守る」という郷土愛護の精神に基づいた大変な活躍に対し、多くの方々の感謝と絶賛を受けられました。
管内の消防団員は、消防本部発足と同時に大きく定数を減じられ、現在では四町の団員数は二二〇名であります。しかし、各自治会長から委嘱を受けた自警団員(ボランティア)八九五名とともに「安心して募らせる町づくり」のため、毎月七日・二〇日の防火点検日と全国火災予防運動期問中には、「チリン、チリン」と大きなリンを振りながら各家庭の防火診断を実施しています。また、各自治会。ことに整備されている小型動力ポンプの取り扱い訓練や消火栓訓練、さらに防火水槽や消火栓器具の維持管理等、地域防災活動に自主的に貢献しています。
自警団員のハッピ姿を目にするとき、「ご苦労様です」と町の誰もが感謝の念を持つと同時に、住民一人ひとりの火災予防意識の高揚に大きな役割を担っています。
六 おわりに
今後、ますます深刻化する高齢化社会への対応が叫ばれる中、わたしたちの町においても昼間の家庭の管理は、老人が中心であると言っても過言ではありません。このため当本部では、老人会等を対象とした自主防災組織づくりが今後の課題となっています。このことを踏まえ「愛と知でつくる防災体制」を確立するため、住民とのふれあいを大切に、「この町に住んでよかった」と実感していただけるよう、職員全員が一丸となって更なる自主防災組織の育成・強化と防災活動に取り組む所存です。
(平塚真一)

 

 

 

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